近藤裕美子さん

近藤裕美子さんは、外国で日本語を教えるお仕事をされていますが、今は珍しく日本に長期滞在中。「次の一歩を踏み出すはずみにしたい」ということで、シンボル作成に申し込んでくださいました。貴重なご縁だと思います。

さて、いただいたアンケートはとても丁寧で、優しい感じがする内容でした。
お名前の「ゆみこ」という平仮名が好きなことや、人と話しながら食事を楽しむ時間を大切にしていることなど。角のない、円満な人柄がうかがえました。一方、おもしろいことが大好きで、好奇心も旺盛。日本を飛び出す行動力も、見過ごせない特徴です。
それらを総合してぼくが受けた印象は「ゆでたまご」でした。白身の柔らかさが、ワクワクする黄身を包みこんでいるイメージ。
ただし、女性に対して「ゆでたまごみたいですね」と言うことが失礼にあたらないかどうか、これはちょっぴり思案のしどころでした。

しかし、思い切ってそのイメージをお伝えしたところ、ことの他喜んでいただけて一安心。
「直線より曲線、完全な円より卵形(楕円)のほうが好きですし、ゆでたまごの形やなんとなくユーモラスな感じと触感が好きです。」と言ってくださいました。懐も深い!
それから、何度かメールのやりとりをしつつ、事務所までお越しいただく段取りを組みました。

実際にお会いしてみると、とても溌剌とされた方で、黄身(笑)の新鮮さが印象的。あわせて言葉や文化への愛情を一杯持たれていました。
その流れで、Twitterに流れる言葉の荒さが苦手だという点で共感。そこから人と丁寧に接する楽しさに話がふくらみ、ぼくのことを「大切屋さん」と呼んでくださいました。そのあだ名、かなり評判がいいです。

以上を踏まえて、ぼくがご提示したラフ案が次の2点です。

 

042_近藤さん

 

A案は、ゆみこさんとゆでたまごの頭文字である「ゆ」の字をひっくり返したヴィジュアル。
B案は、「たのしい」という字を奔放にばらして、ワクワク感を出しています。
ぼく自身は「B案が選ばれるかな?」と思っていたのですが、裕美子さんのジャッジはA。
理由と共に、かなり具体的なご希望を寄せてくださいました。

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さて、ご提案いただいたものですが、A案のほうにしていただければと思います。(2つともとても興味深く、素敵なデザイン! ありがとうございます。)

理由としては、名前は自分を表す大きな要素ですし、また自分の名前を気に入っているということもあります。特に「ゆ」は柔らかい感じが音的にも好きです。

また、こちらのほうがスギオカさんがお感じになった私のイメージ(「柔らかく、少し奔放」「ゆでたまご」(笑))の要素が入っている点も、素敵だと思います。自分のことは気がつかないので(特に「ゆでたまご」の発想はとても印象的でした)、うれしいです。あとは、「ゆ」が逆さになっていて、ちょっと普通と変わっているところ(笑)や、ゆでたまごは球体と違って、「予測通りに転がっていかない」点も、自分らしいかもしれないと感じました。

ですので、A案の路線でお願いします。

実は、それに加えて、可能ならばら、以下の要素もいれていただけると嬉しいなと感じています。Aのご提案はスギオカさんが持たれたイメージをベースに生まれたのものですが、以下の3点はそれに加えて、スギオカさんとのやり取りの中で、自分自身についてのリフレクションから出てきた要素です。

1.Aのデザインを反転する
意味的には、反転というよりは、Aのデザインを向こう側から見た形に近いかも知れません。自分が今いるサイドからではなくグルーっと回って反対側から見たときに見える形です。これは「同じ事象を立ち位置を変えて見る」ことにつながると思いますが、自分自身で大切にしたいと心がけていることなので。ちょうどスギオカさんに「<正>の反対文字は?」と質問されたときに、なぜか反転した「正」も画像(文字ではないのですが)が、最初に浮かんだことともリンクします。
また、このデザインは鏡にうつした文字とも言えて、「鏡に映ったもう一人の自分のイメージ」ということとも重なります。「自分自身をもう一人の自分がメタ的にみる」ということもなんだか自分にとっては大切な要素のような気がするので。

2.1の角度を少し変える
1を反転にしたままだと、「文字」は180度回ったことになりますが、それを少しまわしてみる(時計回り? 時計と逆回り?)というのは、どうかなと思いました。360度、180度、90度は「きちんと決まった位置」のイメージですが、少しずらすことで「定位置には留まらない(縛られない)感じ」や「動きの可能性」が追加されるのかなと感じました。方位磁石・コンパスのように、固定されておらず、いろんな方角を指し示す動きのイメージです。 デザインとしての美しさもあると思うので、どのくらいの角度かはおまかせします。

3.「言葉(言の葉)」あるいは「戻る」を表象するものを入れる
もし可能ならば、たとえば「ゆ」の字の書き出しのところなどを「言の葉」(葉っぱ?)、あるいは「くるっととまるめる=戻る」というイメージを取り入れていただけるとうれしいです。「言葉」あるいは「戻るところ(うち)」というのも、今回のやり取りの中で、自分自身にとってはキーワードだと感じたので。 もちろん1,2だけでも十分なので、最終的にはデザイン的なバランスを優先させていただきたいと思っています。

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ちなみに、文中に出てくる「正」の反対文字というのは、ちょっとした心理テスト。
その問いに対して「誤」が浮かぶのが文系、「負」が浮かぶのが理系、「悪」が浮かぶのが体育会系という遊びです。
そこで、反転した「正」を思い浮かべるあたり、やっぱりちょっとユニークだと思いました。

さて、以上を踏まえてご提示したデータがこちらです!

 

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ちょっとミロの絵のような感じですし、会話が飛び交うイメージも表現できたと思います。
裕美子さんの感想もとても好意的でした!

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お忙しい中、作品をお送りいただき、ありがとうございました。
本当に素敵です! 伸びやかで自由な感じ、動きがあって、楽しそうな雰囲気。そして、ちょっとコミカルな感じも。なんだか、ぱらぱらマンガのキャラクターにできそうですね。

それから、確かに言葉が飛び交っている感じもいいですね。そして離れたものと繋がっているイメージも感じます。

「言葉」「ゆでたまご」や「立ち位置を変え、違う視点から見る」「固定化されていない」「元に戻る」などなど、一連のやりとりの中で出て来たキーワードやキーコンセプトを全て含めてくださって、本当にありがとうござます。とても気に入っています。

全体的なイメージは、確かにミロの絵のよう。実はミロはクレーと並んで大好きな芸術家の一人です。スギオカさん本当にすごいですね。占い師みたいです!(笑) 目に見えないものを感じていらっしゃるんですね。きっと。

カウンセラー、占い師、錬金術師、どれもあっているような気しますが、やっぱり一番は「大切屋さん」ですね。何かを感じ取る繊細さ、慎重に丁寧に対応される姿勢、本当に素敵です。お会いできてよかったです。

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というわけで、今後は「大切屋さん」という呼び名も大切に使わせていただこうと思います。
裕美子さん。本当に、ありがとうございました!

 

tsugi

 

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